かつて、私に「休肝日」という言葉はありませんでした。
ワインならフルボトル1本、日本酒なら4合。ストロングゼロの500ml缶は、まるで一番の友達のような存在でした。
でも、実はお酒の味が好きで飲んでいたわけではありません。
ただ、お酒を飲んでいる間だけは、仕事の苦しさから逃げられたのです。当時の職場にはパワハラ気味の上司がいて、理不尽な怒鳴り声に毎日すり減っていました。帰宅して、夕食を作るよりも先に酎ハイを開ける。一口飲んで「今日もなんとか終わった」とつぶやくときだけが、唯一、張り詰めた緊張がほどける時間でした。
飲む。食べる。また飲む。そんな毎日。
やめたいのに、やめられない。スーパーへ行けば、意志とは裏腹に足がお酒売り場へ向き、気づけばカゴに酒瓶が入っている。そんな自分への嫌悪感を抱えながら、毎日を繰り返していました。
転機になったのは、娘の夏期講習の日のことでした
教室から「まだ来ていませんが、大丈夫ですか?」と連絡が入ったのです。私はその時、すでにお酒を飲んでいました。講習のことなど、記憶のどこにもありませんでした。
慌てふためいても、車はもう運転できない。行かなきゃいけないのに、どうすることもできない。自分の情けなさと「このままでは大切なものを失ってしまう」という恐怖で、心臓が凍りつく思いでした。
お酒を飲まない期間を、意識的に作ってみました
最初の3日間は、仕事中に足に力が入らず、何度も転びそうになりました。「ああ、私は本当にお酒に依存していたんだ」と、自分の体が教えてくれた事実が、何よりも怖かったです。
それでも、1週間経てば夜に眠れるようになり、1か月後には「飲まなくても平気かも」という余裕が生まれました。半年経つ頃には、飲まないことが特別なことではなくなっていたのです。
依存していた頃の私の体は、ボロボロでした
お酒を毎日飲んでいた頃、実は朝の目覚めだけは良かったんです。
でもそれは健康的な理由ではありません。アルコールによって睡眠の質が極端に低下していたため、浅い眠りのまま朝を迎えていただけでした。体は全然休めていなかったのです。
肌は、誰が見ても「くすんでいる」とわかるほどの状態でした。ファンデーションを1トーン暗い色に変えなければならないほど、肌の色がくもっていました。透明感など、どこにもありませんでした。
むくみも深刻でした。朝起きると顔がパンパン。しゃがもうとすると足がむくみすぎて痛いほどでした。管理栄養士として、アルコールがむくみを引き起こすことは知識としては知っていました。でも自分の体でここまで実感することになるとは、思っていませんでした。
お酒をやめたら、体はこう変わりました
断酒後にまず実感したのは、むくみが消えたことでした。あれほど悩まされていた朝の顔のパンパン感が、気づけばなくなっていました。足の痛みもいつの間にか消えていました。
肌の透明感も戻ってきました。くすみが薄れ、ファンデーションの色を戻せた時は、思わず鏡の前でじっくり自分の顔を見てしまいました。
睡眠の質も確実に上がりました。以前は早く目が覚めても体が重かった。今は朝起きた時に「ちゃんと眠れた」という感覚があります。
ただ、体重はというと……正直に言うと、最初はほとんど変わりませんでした。その話はまた次の記事で詳しく書こうと思います。お楽しみに!
8か月が過ぎた頃、久しぶりにお酒を飲む機会がありました
正直、怖かったです。「また元に戻ってしまうんじゃないか」という不安を抱えながら、グラスを手にしました。
でも、翌日の朝、お酒を買いに行きたいという衝動はありませんでした。あれほど毎日飲まずにいられなかった私が、「まあ、いいか」と思えた。その感覚が、何よりも嬉しかったです。
もちろん、今でも羽目を外すことはあります。
おいしい食事に合わせてお酒を心から楽しんだり、気の合う仲間との夜にお酒の力を借りて笑い合ったり。そんな「楽しみのためのお酒」は、今の私には心地よいスパイスです。
私にとって何より大きかったのは、お酒を一生飲まないと決めることではありませんでした
「お酒という逃げ道がなくても、自分の機嫌を自分で取れる自分になること」
あの頃の私に教えてあげたいです。
「お酒に頼らなくても、ちゃんと明日はやってくるし、たまには肩の力を抜いて楽しく飲んでも大丈夫だよ」と。
今も変わらず、時には適当に、時には丁寧に。自分を大切にしながら、穏やかな毎日を積み重ねています。


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